三宅英子の武蔵野市議会報告TOP   過去の議員日記
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2月15日 電子入札について考える
 
 富山市・金沢市の視察(1/31〜2/2)で電子入札のシステムのことを少し勉強させてもらいましたが、さっそく2/9の総務委員会で関連した質問をしました。

 一言で「電子入札」と言ってもいろいろあり、武蔵野市が参加しているのは23区と多摩26市で作っている「東京電子自治体共同運営協議会」ですが、この他に国交省主導の「コアシステム」などがあることもわかりました(日経記事:入札システムで国交省と総務省が全面対決)。全国的には横須賀方式がNTTコミュニケーションズと組んで先行して道を拓き、その後をいくつものシステムが追随している現状を見ると、改めて役所のシステムにくさびを打ち込んだ一地方自治体の勇気を感じます(横須賀市は早くから自治体の電子化に取り組み国の補助なども得て他の自治体をリードしています)。

●予定価格が未公開の武蔵野市の電子入札

   昨年11月に防災・安全センターの建築工事が武蔵野市では初めての電子入札で行われ、業者も決定しましたが、これまでと同様に事前に予定価格を公表せずに行ったそうです。今回、富山・金沢市へ電子入札の視察を行い、それぞれの市が予定価格を公表して入札を実施していることがわかりました。総務委員会の質疑では「予定価格を事前に公表すると、業者の積算能力が低下するのでは」とか「落札率が高止まりになるのでは」などと答弁していました。しかし、金沢市では予定価格は事前公表され、施行前の落札率99%が、H15年の施行後は95%に下がり、富山市でもH14年から透明性を高めるために予定価格は公表するようになって、H17年の落札率は93%程度と聞きました(両市とも改革の進んだ自治体に比べると、まだまだ落札率は大変高い方です)。

 武蔵野市の担当課長からも、最終的には「今後予定価格の公表も前向きに検討したい」旨の答弁がありましたが、是非実現してほしいと思います。

[参考]
落札率の低い自治体宮城県、長野県、大分県、滋賀県、横浜市、静岡市、広島市、横須賀市など。
2004年度都道府県公共工事落札率 
2004年度政令指定都市公共工事落札率
                 −−−全国市民オンブズマン連絡会議HPから
落札率予定価格に対する落札価格の割合。最近組織ぐるみの官製談合が明るみになった防衛施設庁の工事の落札率は、限りなく100%に近いものでした。
予定価格予定価格の算出は、殆どブラックボックスの中で行われていると言ってよいと思われますが、どう決めているのか、ようやく少し判ってきました。


●新しいシステムの活用に自治体間の差が開いている。

 国交省のコアシステム(JACIC)は、中央省庁や都道府県などが参加しているシステムですが、スピードが遅い・添付資料の容量が1メガまで・自治体が独自にシステムを追加すると経費が余分にかかるなど、使いにくさがあると聞きました。これに対して、2004年2月に設立された「東京電子自治体共同運営協議会」は、参加している自治体がサービス利用料金だけを支払えばよいので、コスト的にも有利で、協議会なので参加自治体が意見を出して改善する場もあるとのことです。国が中心で進めているシステム、横須賀市方式、共同運営協議会方式などが競い合っている訳で、こういった競争は歓迎です。
前述の「共同運営協議会」(武蔵野市も加盟)に参加している自治体間でも、現状で既に活用体勢には開きが出ていると聞きました。武蔵野市も先行した自治体を参考にしてドンドン積極的にこの電子入札のシステムを活用して欲しいと感じます。

●富山市・金沢市の電子入札

1)富山市・・・NTTコミュニケーションズのシステム(富山市単独利用)
 H12・13年の「防水談合」をきっかけにして、業者の名刺配りを廃止するなど不正防止に力を入れ、電子入札も導入し現在試行中とのことです。工夫している点は「事前審査」と「事後審査」で、発注業者の格付けなどを公表しているとのことでしたが、これは、建設途中での倒産などを防ぐ目的もあるそうです。電子入札システム開発事業費は約4億4千万円、全面運用はH19年度からとのことですが、単独のシステムなのでコストがかなり掛かる点が気になります。(富山市職員数4,500名、契約課の人員は9名)


2)金沢市・・・国交省のコアシステム(石川県が主導して19市町村が参加)
 こちらもH12年の談合事件をキッカケに導入の検討を始め、現在試行中。予定価格を事前公表していて、業者の積算をチェックするために「積算内訳書」を提出させているそうです。最も力を入れている点は、工事の14項目にわたる事後評価(出来映え・段階毎の工事チェック・技術者評価・施工監理・行程監理など)を複数の検査員により実施し、結果はインターネットでも公表していることだそうです(80点以上は受注率が2割アップとなる)。当初の目的だった入札の透明性は向上しているとのことですが、効率の面からは担当職員の減員はできないので、メリットはむしろ受注者側にあるとの話でした。道路工事などは業者登録数が1000社に上り、内半数が中小業者なので、募集要項に地域要件を加えて地元業者の保護に留意しているとのことです。初期投資と一部ランニングコスト含め4,000万円くらい、本格実施はH20年度以降とのことです。
 電子入札した場合、今後の方向性は「一般競争入札」「予定価格の公表」が基本だと両市共に担当者の方が語っていたのが印象的でした。重要なのは、インターネットで入札できて効率的だという一面だけではなく、全体のシステムの中でいかに公正さと透明性を保つことができるか、さらに、システムのイニシャルコスト、ランニングコストをいかに知恵を絞って抑制するかが、各自治体に問われていると思います。今後自治体の職員のITに対する知識や「システム」の捉え方がますます重要視されてくることは確実です。
【2006/02/15 08:53】 | 武蔵野市議会 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
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